ガウガウわー太 番外編 超アニマル戦隊系 ガウレンジャー(仮)
ペット達の平和と安全を守る『超アニマル戦隊系 ガウレンジャー(仮)』
ガウホワイトわー太/ガウレッドマツ太郎/ガウイエローひまわり。
イエローのピンチの時に現れる茶色の影・・・。
それは小さい頃生き別れになった母(サリー)だったのだ!





 オンリーワンたる雑種の、わー太。

わー太わー太「ガウ犬クラッシュ!」

 ようは噛み付く。


 豆柴だって立派な犬種、マツ太郎。

マツ太郎マツ太郎「マツ太郎レーザークロー!」

 小柄さを生かした爪攻撃、よって大抵急所を殴ってしまう。


 アイリッシュ・セターとゴールデン・レトリバーが
産みだした、1+1<=3の奇跡、ひまわり。

ひまわりひまわり「ひまわり、エメラルドフラッシュ」

 いわゆる浴びせ倒し。紅一点だけどのこの中で一番ガタイがデカイ。


 そう、彼らは我等が
ペット達の平和と安全を守る『超アニマル戦隊系 ガウレンジャー(仮)』

 今日も悪と戦いつづけるのだ!



 かたや、ガウレンジャーに対抗するは
孤高のコーギー、サンタ率いる生ゴミ愛好結社。


サンタサンタ「あまいで、甘すぎるで。ワイのバンダナは誓いの証。
      これにかけて、うちは倒れる訳にはいかんのや!」

 今日もサンタの首には唐草バンダナが、その存在感をあらわにしている。
唐草模様が在る所にサンタ在り。サンタだから唐草模様なのか、
唐草模様だからサンタなのか。それぐらい有名だ!


 本日もどこかのゴミ収集所で熱い攻防が繰り広げられているのだ!!



 尾田島家。

小次郎"小次郎「悪い、淳子が未だにばうりんに夢中だから、抜けれん」



休載○△×日目。

タイトル『ひまわりを知るもの。』




 サンタ率いる‥‥‥‥長いので結社名はパス!
‥‥に取り押さえられてしまったひまわり。

 マツ太郎とわー太は。お休み中だ。

 なぜなら、ひまわりは空腹を癒す為に任務をほっぽりだしたからだ!

 サンタの部下、ガードドック(主にドーベルマン、統べているのはブルドック)
に、押さえつけられるひまわり。

 その前に立つサンタ。

 普段はひまわりに見下ろされている構図なだけに、かなりアレだ。



サンタサンタ「ワテには、ようわかっとる。
      おまえの中にクスぶっとる、いやしん坊衝動を。
      我慢せんと楽なりや、ひまわり嬢ちゃん」

ひまわりひまわり「くっ」

サンタサンタ「今やったら、シェアの半分を嬢ちゃん、あんたにやってもええで。
      あんたにはそんだけの価値がある、自分でもわぁっとぉんのやろ」

 サンタがブルドックに一瞥をくれた。
ひまわりの前に質のいいパンの耳が飛んできた。

サンタサンタ「どや、芳ばしいええ香りやろう。自分に正直になりや」

ひまわりひまわり「そんな、馬鹿にしないで!」

サンタサンタ「おっと、別にそういう気じゃあらへん。
      ワイも経験ある、その衝動を抑えつづける事の辛さを」

ひまわりひまわり「‥‥っ(ごくり」

サンタサンタ「嬢ちゃん、思ったよりオリコウやなかったな」

 サンタはバンダナを外した。首まわりは鮮やかな白だった。
サンタのバンダナ伝説はガセネタでは無かった。

ひまわりひまわり「バンダナ‥‥本当に外していないのね」

サンタサンタ「これか? 表歩くときは絶対つけとる。
      これが覚悟ってもんやで、嬢ちゃん」

 サンタの首まりの日焼けの跡、
それに見入ってしまったひまわりは虚をつかれた。

 先ほどの戦闘隊長ブルドックは、
サンタがバンダナに手を掛けたのを合図に
更なる物量のパンの耳をひまわりの周りに配置した。

 サンタの策略だ。計算され尽くされた策略だ。
だが、気付いたときにはもう遅い。

 サンタの指摘した食いしん坊魂、
気付いてはいたが認めたくなかった、認めるわけにはいかなかった。

 わー太おじさまとマツ太郎ボウヤにそんな姿は見せたくなかった、
女としての意地が抑え続けていた衝動だった。

 だけどもうダメだ、他人に指摘され、
このパンの香りが充満する状況下、鼻腔が刺激され、
口を開けば求めていたものに届く、届くのだ。

 もう止まらない。

 ひまわりの口がこれでもかというほど広がった。
もう誰にも止められない。

 サンタは勝ち誇ったように、口元を緩めた。
そして静かにバンダナを首に捲きなおす。

 ひまわりの口がパンの耳に、
パンの耳がひまわりの口に‥‥。



 がぶり。



ひまわりひまわり「ほぁ?」

サンタサンタ「なにゃて」

?「いたいいたいいたいいたいいたい」

 ひまわりの口には鮮やかな赤毛が咥えられていた。
パンの耳ではない、前足だ。何の。



 知らん。



サンタサンタ「な、なにもんやお前」

赤毛赤毛「井上喜久子よ」

 井上喜久子と名乗った赤毛の大型犬は、
ひまわりを振りほどこうとしたが無駄だった。
ひまわりの牙はかなり深く食い込んでいる。

 我に返ったサンタは、とりあえず質問をした。

サンタサンタ「いのう‥‥きく‥‥知らん犬種やな、新種か?」

ブルドックブルドック「ボス、どう見てもアイリッシュですぜ」

ドーベルマンドーベルマン1「ああ、セターだな。それも美人だ」

ドーベルマンドーベルマン2「むぅ、ひまわりにはもったいない。俺が噛み付きてぇ」

ひまわりひまわり「もがもが‥‥」

赤毛赤毛「ほほほ、お褒めに預かり‥‥って、いつまで噛み付いているの」

 赤毛はひまわりに空いている方の前足で張り手をかました。
派手に吹っ飛ぶひまわり。

 配置されたパンの耳が宙に浮いた。

 それを見逃さないひまわり。
飛ばされたカッコウのままかぶりつこうとする。

 ‥‥が、パンの耳にありつける一寸先で、
ひまわりの口は赤毛に踏みつけられた。

ひまわりひまわり「‥‥ふんぐ」

赤毛赤毛「お行儀悪いわよ」

 大型犬の格闘は怖い、迫力がある。
サンタはちょっとびびった。

サンタサンタ「嬢ちゃん?! きっさま!」

赤毛赤毛「なぁに、ボウヤ」

 ひまわりの頭をぐりぐりしながら赤毛はサンタをにらんだ。
尾田島小次郎から受けたプレッシャー以来の悪寒がした。

サンタサンタ「お‥‥お前なにもんや」

赤毛赤毛「とりあえずボウヤ、あなたの敵みたいな」

サンタサンタ「みたいな‥‥って、自我あらへんのか」

赤毛赤毛「私は中立よ」

サンタサンタ「じゃあ何で邪魔する」

赤毛赤毛「この娘見てたら、昔を思い出したの」

 空を見上げる赤毛、
サンタ以下結社の連中もつられて空を見た。

赤毛赤毛「邪魔したわね」

 赤毛は去った。



サンタサンタ「何やアイツ‥‥って、ひまわりどこやぁ!? やられてもぅたぁ!」









赤毛赤毛「何やっているのあなた、正義の味方なんでしょう」

ひまわりひまわり「‥‥‥‥」

赤毛赤毛「同じ大型犬として情けなさすぎたわよ、
     思わず割り込んじゃったわ」

ひまわりひまわり「あの、ありがとう井上喜久子さん」

赤毛赤毛「あなたね、本当に‥‥いいわ、それ偽名よ」

ひまわりひまわり「嘘つきさん?! 卑怯者!?」

赤毛赤毛「ぎろり」

ひまわりひまわり「ごめんなさい、ありがとう、だから許して」

赤毛赤毛「まぁ、いいや。じゃあね」

ひまわりひまわり「あの、私はひまわりと、遠藤ひまわりと申します。あなたは‥‥」

赤毛赤毛「‥‥‥‥」

ひまわりひまわり「‥‥‥‥」

赤毛赤毛「‥‥‥‥」

ひまわりひまわり「‥‥‥‥」

赤毛赤毛「‥‥‥‥」

ひまわりひまわり「‥‥‥‥」

赤毛赤毛「‥‥‥‥」

ひまわりひまわり「‥‥‥‥」

赤毛赤毛「‥‥‥‥」

ひまわりひまわり「‥‥‥‥」

赤毛赤毛「さりー」

ひまわりひまわり「‥‥‥‥」

赤毛赤毛「前川サリーよ、じゃあね‥‥ひまわりちゃん」





赤毛サリー「‥‥‥‥」

 ひまわりちゃん、私の血に苦しんでいるのね。

 あのヒトとの間に出来た仔だから、
先天性は消えてくると思っていたのに。

 ごめんね、ひまわりちゃん。ダメなお母さんで。
衝動に流されたら、あなたのおねぇさんやおにぃさんと
同じ地獄の道を歩む事になる。

 私にはもうあなたしか居ないの、ひまわりちゃん。
ごめんね、わがままなお母さんで。








キャスト / 声の担当(想定の想定

舟越わー太 / 茶風林
角田マツ太郎 / 鈴木真仁
遠藤ひまわり / 田村ゆかり

尾田島小次郎 / 野沢那智

村上サンタ / 久川綾

ガードドック 鴻巣家の方々 / 神谷明
内訳(ブルドック、ドーベルマンがたっくさん)

前川サリー / 井上喜久子

ナレーション / 神谷明













原案 / ジジ?

アイコン / 蟻

校正 / 蟻・ジジ

担当 / カルネアデス


以上でお送りしました。