ガウガウわー太にゅーじぇねれーしょん(1)







ドウブツのミナサマガタ
ナンでもごソウダンください

めんどうなだけぢゃん








そういうがみがある動物病院どうぶつびょういんがあった。

見渡みわたかぎりの過疎地かそちであり、
唯一ゆいいつあった公的機関こうてききかん郵便局ゆうびんきょくもない場所ところ

その動物病院どうぶつびょういん出来できてからは、
むらまちへとなり、郵便局ゆうびんきょく復活ふっかつし、むら活気かっきもどった。

その動物病院どうぶつびょういんは、ひまわり動物病院どうぶつびょういんったそうな。








ガウガウわー太
にゅーじぇねれーしょん








ひまわりひまわり「こら、まちなさい!」

すいせんすいせん「いやだぁ!」

こすもすこすもす「やだよぉ!」

ひまわりひまわり「お注射ちゅうしゃしなきゃだめでしょ!」

むら再興さいこう一役ひとやくかった動物病院どうぶつびょういん元気げんきこえひびく。
まわっていた二人ふたり子供こどもは、いかけていた女性じょせいつかまった。

ひまわりひまわり「もう、お注射ちゅうしゃしないと大変たいへんなんだから」

子供こども捕獲ほかくし、両脇りょうわきかかえた女性じょせい金色こんじきながかみひるがえし、診察室しんさつしつかった。
診察室しんさつしつまえ子供こども二人ふたりはすっかりおとなしくなった。

女性じょせい子供こどもろして、ノックをする。

ひまわりひまわり「先生せんせい、おねがいします」

太助太助たすけ「なんだ、もうつかまっちゃったのか?」

すいせんすいせん「だって、だって!」

こすもすこすもす「ママからげられるわけないよ」

子供こどもたちはおもおもいを先生せんせいにぶつけた。

先生せんせいは「そうかそうか」とはなしいていないような対応たいおうをしている。

太助太助たすけ残念ざんねんだったね、じゃあ。お注射ちゅうしゃ時間じかんだよ。ひまわり」

ひまわりひまわり「はい。先生せんせい

ひまわりとわれた女性じょせい子供こども二人ふたりうでをつかみ先生せんせいした。
うでをつかまれた子供こどもかおには恐怖きょうふかんでいた。

太助太助たすけ「はい。わり。がんばったな。えらいぞ、すいせん、こすもす」

太助たすけはひまわりが子供こどもをつかんだ瞬間しゅんかんにすぐさま注射ちゅうしゃった。
太助たすけ注射ちゅうしゃは、あまりのはやさにたれたことに気付きづかないと評判ひょうばんであった。

しかし子供こどもたちはした。

すいせんすいせん「・・・ううう」

こすもすこすもす「・・・しくしく」

太助太助たすけ「なんだよ、(あまり)いたくはなかっただろう?」

ひまわりひまわり「当然とうぜんです! 太助たすけさんのはいたくありませんから」

ひまわりは自分じぶんめられているかのようにほおめる。

太助太助たすけ「ひまわり」

ひまわりひまわり「はい、ナンでしょう?」

太助太助たすけいまは、『先生せんせい』とんで」

ひまわりひまわり「も、もうわけありません太助たすけさん! あらら・・・」

太助太助たすけ「・・・」

すいせんすいせん「ああ、いたくなかったよ、太助たすけ!」
こすもすこすもす「いたくないいたくない!」

すいせんすいせん「ひまわりにつかまったのがくやしかっただけだよ!」
こすもすこすもす「だよぉだ!」

ひまわりひまわり「こら、二人ふたりとも!!」

太助太助たすけ「・・・おいおい、診察室しんさつしつあばれないでくれよ。三人さんにんとも」

太助たすけ三人さんにん襟首えりくびをつかんで、診察室しんさつしつからほうした。

太助太助たすけつぎかたどうぞぉ。そうそう、注射ちゅうしゃったばかりだからあばれるの禁止きんし!」

太助たすけいきおいよくとびらじた。

ひまわりと子供こどもたちは待合室まちあいしつにいる動物どうぶつぬし視線しせん射抜いぬかれていた。

ひまわりひまわり「た、太助たすけさんぅぅん。わたしれてください。おねがいしますおねがいしますぅ!」

ひまわりは、診察室しんさつしつとびらきついた。かお半泣はんなきで、こえ半泣はんなきだった。

太助太助たすけ「だぁめ、子供こども面倒めんどうててくれ! あと、ちょっと散歩さんぽにでもってい!」

ひまわりひまわり「えええ、まだ散歩さんぽ時間じかんじゃありませんよぉ」

太助太助たすけ「・・・」

ひまわりひまわり「タスケサァァァン・・・」

診察室しんさつしつとびらひらく。
ひまわりのしずんだ表情ひょうじょうが、太陽たいようのぼってきたときの向日葵ひまわりのようにかがやきをもどす。

太助太助たすけ「だめだ、ってい」

ひまわりひまわり「・・・はい」

ひまわりの表情ひょうじょうは、太陽たいようしずんだ向日葵ひまわりになった。



ひまわりひまわり「もう、ひどいわ太助たすけさん。一人ひとりでお散歩さんぽだなんて・・・ぷんぷん」

不機嫌ふきげんなひまわりの態度たいどあまってひどかった。
だれがどうようとも不機嫌ふきげんさが身体中からだじゅうからしていた。

しかしみちひとはひまわりのそんな態度たいどとどめなかった。
このまちで、ひまわりのこの行動こうどう日常にちじょう茶飯事さはんじだったから。

ひまわり動物病院どうぶつびょういんらない人間にんげんは、このまちにはないほど、有名ゆうめいだった。

すいせんすいせん「ママ、元気げんきしてよ」

こすもすこすもす「ぼくたちも一緒いっしょにお散歩さんぽしているよ」

ひまわりひまわり「・・・」

ひまわりはキッと子供こどもたちをにらみつけた。
その視線しせんけもののそれだったが、
子供こどもたちはその視線しせんめてなお、ひまわりから視線しせんをはずさなかった。

ひまわりはその無垢むくよっつの視線しせんに、よこしまな想像そうぞうてた。

ひまわりひまわり「ああ、どうしよう。太助たすけさんにきらわれちゃった・・・」

すいせんすいせん「まま・・・」
こすもすこすもす「むぅ、毎日まいにちことやってて、学習がくしゅうしてよ・・・」

ちしたひまわりを、子供こどもたちが散歩さんぽコースへといざなっていく。



散歩さんぽコースの終着地点しゅうちゃくちてんについた。
むら一望いちぼうできる高台たかだいで、
地平線ちへいせんぐに見据みすえるとしず夕日ゆうひのぞめる。

むらのぞがけはかなりきゅうで、安全対策あんぜんたいさくのためのさくもあり、
望遠鏡ぼうえんきょう設置せっちされている、なんと一回いっかい十円じゅうえん

がけ反対方向はんたいほうこうは、青々あおあおとした森林しんりんひろがっている。
あまかんがえのものがたら頂上ちょうじょうまですぐにあがれるというぐらいやまひくえる。

いまはまだ十五じゅうご夕暮ゆうぐれまではまだあった。

すいせんすいせん「今日きょうもいい天気てんきね」
こすもすこすもす「すごいや、ひとがまるでごみのようだよ。ほらママ!」

ひまわりひまわり「・・・」

ひまわりはまだ心をざしている。
時折ときおりせるそらあおぎながら「太助たすけさん・・・」とつぶやくことがあるぐらいだった。

すいせんすいせん「ママはあの調子ちょうしだから」
こすもすこすもす「うん、こう」

二人ふたりもりかってはしりだした。



すいせんすいせん「今日きょうはどこへこう」
こすもすこすもす「うーん、あそこの果物くだものがそろそろなっているはずだけど」
すいせんすいせん「そうだったかな、じゃあ今日きょうはそこまでこう」

目的地もくてきちめた二人ふたりくつ靴下くつしたはじめた。

あいらしいアンヨを山道やまみちにつきたてる二人ふたり

二人ふたり意識いしき集中しゅうちゅうさせて、何事なにごとかをぶつぶつとなえている。
あいらしいあし毛深けぶかくなっていき、やがていぬのソレとなった。

こすもすこすもす「今日きょうはうまくいったね」
すいせんすいせん「べ、べつに。今日きょう『も』うまくいったのよ!」
こすもすこすもす「やれやれだね。そういうことにしておくよ」
すいせんすいせん「ば、バカ! こまかいことをいつまでも・・・おいてくわよ!」
こすもすこすもす「え、そんなってよ!」

あしがケモノとなった二人ふたり山道やまみちはずれて獣道けものみちがっていった。




伝説でんせつ犬神いぬがみさま狛犬狛犬こまいぬさま伝説でんせつ狐神きつねがみさま御稲荷御稲荷おいなりさまのアイの
げんひまわり動物病院どうぶつびょういん院長いんちょう太助やしろ太助たすけ

接触せっしょくばれる行為こうい動物どうぶつ会話かいわができる能力のうりょく芽生めばえる。

ひまわりひまわりが、いぬ時代じだい胃拡張いかくちょう-捻転ねんてん症候群しょうこうぐんこしたさい
手術しゅじゅつったやしろ太助たすけ不注意ふちゅういから裂傷れっしょうう。
その傷口きずぐちひらいたまま、ひまわりに心臓しんぞうマッサージをおこなったことに由来ゆらいする。

その結果けっかひまわりひまわりにもその影響えいきょうおよぼし、
ひまわり擬人化ぎじんか能力のうりょく開花かいか太助やしろ太助たすけ家庭かていつこととなった。



これは動物どうぶつ生態系せいたいけい垣根かきねえた生命いのちのドラマである(ちが



ひまわりひまわり「ううう・・・太助たすけさん」

ひまわりのほお感情かんじょうしずくすべちたころ太陽たいよう夕闇ゆうやみんだ。















キャスト

社ひまわり

社すいせん

社こすもす

社太助









原作   / ガウガウわー太

参考文献 / ガウガウデータベース

アイコン / 蟻

担当   / カルネアデス

以上でお送りしました。